今回は、岡田准一さんが実写版映画の主人公を務めたことで有名な「ザ・ファブル」を紹介させていただきます。「人を殺さない殺し屋」という斬新な設定と内容で読者を魅了した作品なので、この機会に興味を持っていただけると幸いです。
作品紹介
ザ・ファブルは、2014年から著者・南勝久さんがヤングマガジンにて連載している作品で、講談社漫画賞一般部門を受賞しています。実写映画化も果たしており、今年の4月ごろにはアニメ化もされる予定です。現在は完結しており、第二部まで連載されました。
あらすじ

コミックス ザ・ファブルより(画像引用先:アル)
とある組織で暗殺を生業にしている名もない殺し屋は、その界隈ではファブルと呼ばれていた。ある日、仕事を終えたファブルに、組織のボスは「一年間は暗殺の仕事を受けず、身を隠し、一般人として生活してみろ」と伝える。ボスから仕事の報酬を受け取り、相棒のヨウコと共に、身を隠すため大阪へ向かうファブル。しかし、暗殺を生業にしてきたファブルにとって、一般人になりきることは暗殺よりも難しく……
感想
ストーリーが斬新
これまで、色々と漫画を読んできましたが、この作品のストーリーはとても斬新に感じ、今まで読んだ漫画とは違った面白さを感じました。主人公が暗殺者である漫画は色々とありますが、今作は暗殺を行えない暗殺者というあまり見かけない設定にされており、先の読めないストーリーを予感させてくれます。
この漫画の基盤は、暗殺できない暗殺者の日常ですが、色々とトラブルに巻き込まれ、ところどころで暗殺者としての強さを発揮する場面があります。松井優征さんの暗殺教室も似たような設定ではありますが、今回は人が主人公である為、暗殺教室の「殺せんせー」よりも出来ることが限られており、人間を超越した能力を発揮することはなく、頑張れば俺にもできるんじゃないか?と思わせてくれる絶妙な強さを見せてくれます。そういった親近感を沸かせてくれるところも、設定と共に斬新だと思いました。
暗殺者の強さ
漫画に登場するキャラクターの強さは、固有の技や力、ド派手にコマとページを使って見せる必殺技等、様々な表現の仕方があります。しかし、暗殺を極めているファブルの強さの見せ方は極めて地味です。よくあるバトル系の漫画では、敵と対峙した時に、技の名前を大きく叫んだり、地形が崩れるほどの大技を出したり、漫画のページから音が聞こえそうなほどの勢いのある戦いをする場面が複数のページを使って描かれることがありますが、この漫画ではとても静かな戦闘が数コマで終了します。
確かに地味でありますが、暗殺者の主人公目線で考えた時に、短時間で敵を制圧する技量、目立たない静かな戦闘、戦闘後の静かな幕引きと、暗殺の能力の高さを表現していることが分かります。そのことに気づいてからは、戦闘が地味であればあるほど主人公の強さが際立って見えるようになり、改めて主人公の強さを実感することができるのです。私が勝手に勘違いしてるだけかもしれませんが、この表現の仕方は私には目新しく、新鮮な気持ちで読むことができて満足でした。
適度なギャグ

コミックス ザ・ファブルより(画像引用先:アル)
暗殺ばかりだとシリアスな展開に傾いてしまいそうなイメージがありますが、その要素を払拭するほど、今作はギャグが多いです。まず、今作の舞台が大阪で、どこでギャグが出てもおかしくない雰囲気を作り出しています。登場する人物もほとんどが関西人で、ボケとツッコミが満載です。そして、物語も日常パートの割合が多く、それに比例してギャグの場面も多い為、暗殺ばかりのシリアスな展開にはならなくなっています。ギャグも適度に面白く、時には声を出して笑いそうになるところもあります。
特に、ドランクキラーのヨウコが、話しかけてきたナンパ男と酒を浴びるほど飲む場面は、腹を抱えて笑うほど面白いです。私の中の、ザ・ファブル名シーンの一つです。
まとめ
漫画「ザ・ファブル」を紹介させていただきました。この漫画は暗殺者が主人公で、暗殺の能力の高さを表現するために、いささか地味なページが多いですが、地味であればあるほど主人公の強さが際立ってくる斬新な漫画だと思います。暗殺が物語の基盤になりますが、グロテスクな表現も少なく、そういったジャンルが苦手な方でも手軽に読める作品だと思いますので、興味が沸いたら是非読んでみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ザ・ファブル コミック 全22巻セット [コミック] 南 勝久 新品価格 | ![]() |

コメント