(画像引用先:コミックナタリー)
今回は、ぶっ飛んだ内容かと思いきや、しっかり王道ファンタジー作品「Helck(ヘルク)」を紹介します。物語序盤のぶっ飛んだ主人公に引き込まれて読み始めてしまう本作の魅力について記載していますので、気になる方は是非ご覧ください!
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作品
本作は作者・七尾ナナキさんが裏サンデー、マンガワンで連載していた作品で、2014年から2017年まで掲載されました。現在は完結しており、単行本は12巻まででており、新装版も発売されています。
2023にはアニメも公開されており、2期まで放送されました。アニメはAmazonprimeでもご覧いただけますので、気になる方は概要欄よりご確認ください。
あらすじ
勇者の手によって魔王が倒され、人々は歓喜に沸き立っていたが、その一方で魔王軍サイドは新たな魔王の座をかけて大会を開いていた。
魔界に君臨する数々の猛者達が集まる中、何故か普通に参加している人間の男が一人…
彼の名前はヘルク。自らを勇者と名乗り、魔王の座をかけて今大会に参加している彼の目的は、人間を滅ぼすこと。「人間が憎い」と語るヘルクの強さは尋常ではなく、順調に大会を勝ち進んでいく。
そんなヘルクを怪しむ帝国四天王の一人・ヴァミリオは、あの手この手でヘルクの大会優勝を阻止するべく奮闘することになる。
魔王を倒したはずの勇者が、何故か新しい魔王になろうとする一見ギャグファンタジー物語、ここに開幕!
感想
勇者「人間が憎い。人間滅ぼそう。」
本作の主人公であるヘルクは、強さといい目的といい、とにかくぶっ飛んでいます。
まず、魔王を倒した勇者であるにも関わらず、何故か新しい魔王になろうとしているサイコパス主人公にしか見えない点です。「人間が憎い」と言っている割には、勇者として人の為に魔王を倒しているヘルクが、何故そんなことをしているのか疑問しか浮かんできません。
そして、魔王を倒すほどの実力と胆力、その他多方面の能力の高さが異常です。戦いについても申し分ない実力を持っているだけでなく、料理、器用さ、そしてコミュニケーション能力も非常に高く、エリート勇者です。優しさも兼ね備えており、戦ったはずの魔王サイドの魔物を助けたりもしています。読んでいると、もはや何がしたいのか分からなくなって笑えてしまいます。
ただ、ファンタジー系の王道作品でありがちな主人公とは打って変わって、奇抜な存在であることは間違いありません。読者としても、これほど印象に残りやすいキャラクターは中々いないと思います。そういった点では差別化が出来ていて、読んでいてとても興味がわきました。
しっかり重厚な内容のファンタジー作品
主人公のぶっ飛び具合といい、作中のギャグの頻度といい、一見するとギャグ寄りな作品に思われがちですが、設定等もしっかり作りこまれており、ストーリーも重厚で少しダークな雰囲気を漂わせているファンタジー作品です。
まず、キャラクターの設定から物語の流れ、作中で登場する街の外観や雰囲気等、一つ一つが丁寧に作られており、尚且つ覚えやすい設定と内容なので、読んでいてスラスラと頭に入ってきます。その為、ストーリーが重厚な作品でよくありがちな「この人誰だっけ?」、「今読んでいるシーンの時系列は?」、「何故、こんなことになっているの?」という読者を置き去りにしてしまうことがほとんどありません。ストレスなく気軽に読むことが出来ます。
そして、少し重めな内容のストーリーではありますが、ダークファンタジーというにはギャグが多く、陽気な空気感が出ていることも多いので、純粋にファンタジー系の作品が好きな方でも気兼ねなく読むことが出来ます。ストーリーも作りこまれているので、次第に今作の魅力に引き込まれてしまうこと間違いなしです。
まさかの伏線回収に涙腺崩壊
本作を紹介するにあたって一番知っておいてもらいたいのは、見事な伏線回収をしている点です。
物語序盤でふざけたことを抜かしていた主人公ヘルクと、そんなヘルクを仲間なのか敵なのか判断がつかずにいる帝国四天王ヴァミリオが、本作のメインキャラクターになるのですが、それぞれに個人的な葛藤や過去があり、それを抱えた状態で物語が進行していきます。そして、物語の終盤に、それらに関わる伏線回収が行われるのですが、このシーンが非常に熱く感動的で涙腺が緩んでしまいます。ネタバレ控え目にさせていただきたいので詳細はお伝え出来ませんが、序盤のあのシーンがまさかこんな形で回収されるとは思いもしませんでした。
ここからは客観的な意見になりますが、登場するキャラクターに愛着をわかせて、絶妙なタイミングで投下される伏線回収の流れが本当に見事だと思いました。ちょうどそういうのがほしかったと思っているところで回収されるので、読んでいてとてもスッキリします。作品をまだ見ていない方は是非最後まで読んでいただいて、この経験を味わってもらいたいです。
まとめ
ギャグ漫画の皮をかぶったちょっとダークなファンタジー作品「Helck(ヘルク)」いかがでしたでしょうか。序盤で主人公のぶっ飛び具合が炸裂し、一見ギャグ寄りな作品と思わせながらも、重厚なストーリーで読者を楽しませてくれる本作の魅力が少しでも伝わっていると幸いです。
重厚なストーリーであるにも関わらず、読者の頭に入れやすい情報量と内容で読みやすい作品なので、難しい作品が苦手な方でも気軽に読める作品となっています。気になった方は是非ご覧ください!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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