(画像引用先:Amazon)
今回は、アットホームなコメディーの皮をかぶったバイオレンスホームコメディー作品「紡木さん家の場合」を紹介します。とある家族の奇妙でバイオレンスな日常をお送りする本作の魅力について記載していますので、気になる方は是非ご覧ください!
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作品
本作は2015年にBAMBOO COMICSで出版された4コマ漫画で、作者は碓井尻尾さんです。
作品は既に完結していて、全5巻の構成となっています。
碓井尻尾さんは他にも様々な作品を描かれていますので、そちらについては下記よりご確認ください。
あらすじ
本作はとあるマンションで暮らしている紡木家と、その隣にすむ大学生の菊池さんが送るアットホームコメディー………ではなく、血で血を洗うバイオレスな日常を描いた物語である。
紡木家の唯一の癒し枠である妹の結ちゃんとスキンヘッドでヤクザ顔の父であるハゲ親父、反抗期真っ盛りの長男・夏とめったに家に帰らない得体のしれない母親で構成された紡木家では、結ちゃんをめぐる父と長男による血みどろの戦いが日々行われていた。不運にもそんな家族の隣に住んでいる大学生の菊池さんは、騒ぎを聞きつけて2人の親子喧嘩を止めに入る役割を担ってしまうことになる。
どんな手を使っても相手を蹴落とし結ちゃんを喜ばせようと奮闘するバカ親子と、何故か巻き込まれることになったお隣さんの慌ただしい日常活劇が、今始まる…
感想
「少女漫画チックな絵柄」からのバイオレンス
本作は少女漫画のような絵をしていて、キャラクター一人一人がとても可愛らしいです。線やタッチも柔らかく、絵だけを見るとほのぼのとした優しい物語が始まりそうな予感を感じられます。しかし、そんな予感が当たる程、本作は甘くはありません。可愛らしい絵に見とれていた次の瞬間、血しぶきがコマ一杯に飛び散っている…なんてことがあるぐらいバイオレンスな作品です。
物語の主軸が「ホームコメディー」である本作は、作中での親子喧嘩がすさまじく、微笑ましい家族間の笑いなんてものはほとんどありません。基本、コマの中で血で血を洗う親子喧嘩が行われています。可愛らしい絵柄のはずが、キャラクターの顔がボコボコに腫れあがり、いたるところから血が流れている描写が非常に多いので、「ホームコメディー」であることを忘れてしまいます。
ただ、そんな可愛い絵柄とバイオレンスな内容のギャップがうまいことハマっており、「バイオレンスホームコメディー」として確立された一つの作品として成り立っているのが、本作の凄いところです。ギャップだけで読者を笑かせてくれるコメディーな部分と登場キャラクターの家族要素、行き過ぎた親子喧嘩のバイオレンスさが、全く新しいジャンルを作り上げており、新鮮な気持ちで読むことができてとても面白いです。バイオレンスな内容が苦手な方でも読みやすい絵柄になっているので、小さいお子様以外の方にはオススメできます。
絶妙なボケと的確なツッコミ
絵柄と内容のギャップで読者を笑かせてくれる本作ですが、コメディーな部分はそこだけではありません。作中で繰り広げられるボケとツッコミがめちゃくちゃ面白いです。
基本は兄と父の親子喧嘩で笑いを取りに来るのですが、その最中、自身がボケをかませば相手にツッコまれる(暴力)という流れがところどころであります。そして、ツッコミの内容も的確で読者の笑いを誘います。
二人だけでなく、巻き込まれ役の菊池さんのツッコミや、癒し枠である結ちゃんの純粋無垢なツッコミも炸裂して飽きることがありません。特に、菊池さんの紡木家の対する辛辣かつ的確なツッコミは見ものです。あまりにも辛辣な内容を放つものですから、逆に仲が良く見えてしまい、紡木家には「菊池さんは家族の一員」と思われているところも面白いです。
そして、4コマ漫画の特徴でもあると言えるのですが、4コマのタイトルでもツッコんできます。例えば、菊池さんが紡木親子のどうでもいい相談を聞かなければならなくなる4コマのタイトルが「つき合ってられん」。目立ちたがりな学級委員長がドーナツをメガネに見立ててかけた状態で登場した時には「食べ物で遊ぶな」。まるで、作者の心の声をタイトルにしているような感じがして面白いです。他にもいろいろあるので、読む方はそちらも気にしてみてください。
味も濃いキャラクターが勢ぞろい
メインキャラクター以外にも様々なキャラクターが登場する本作ですが、メインですら濃いのにサブキャラクターの個性も非常に濃いです。
前の項目で「ドーナツをかけた学級委員長」を紹介しましたが、見た目の濃さだけがあるわけではないです。委員長については、「学校で友達ができないので様々な奇行に走って友達作りをするというイカレサイコパス野郎」というとんでもないキャラクター性を持ち合わせています。他にも、菊池さんとルームシェアしているスタイル抜群で異常なほど海が大好きな女性キャラのアヤ、大学生である菊池さんに目を付けた結ちゃんの学校の先生である安田先生等、個性が強すぎてもはや変な人達ばかりが登場します。
これだけの能力を持ったキャラクター達で構成されているので、読者にとっても印象も強く残りやすく、愛着も沸きやすいです。登場人物もそこまで多くないので、読んでいる途中に忘れることもありません。ただ一つ、ほぼ全員変なところが難点ではありますが…
まとめ
個性豊かなビックリ奇行種人間の集まり漫画「紡木さん家の場合」いかがでしたでしょうか。
作画からは考えられないバイオレンスな内容と、面白いボケとツッコミがかみ合った奇跡の名作である本作の魅力が少しでも伝わっていると幸いです。バイオレンスが苦手な方でもご覧いただける程のコメディーな内容でもあるので、お子様以外の方にはオススメできます。
バイオレンスホームコメディーという変わったジャンルではありますが、読んでみるとめちゃくちゃ笑える面白い作品なので、まだ見てない方は是非ご覧ください!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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