【漫画紹介】100日後に死ぬワニ

漫画

(画像引用先:「100日後に死ぬワニ」デジタルコンテンツ特設ページ

今回は、SNSで大きな話題を呼んだヒット作「100日後に死ぬワニ」を紹介します。斬新なシステムでTwitter(現在のX)の話題をかっさらった本作の魅力について記載していますので、気になる方は是非ご覧ください!

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作品

本作は2019年12月よりTwitterにて順次公開されていた作品で、作者はきくちゆうきさんです。

本作一番の特徴である100日のカウントダウンがSNSで大きな話題を呼び、当時は類似した作品がちらほら見られました。一日ごとに一話公開され、先が気になってTwitterにあげられた作品を見に来る方が続出し、いつしかTVでも取り合あげられるようになるほどの人気を集めた作品です。2020年の4月には書籍化、2021年には映画化も果たしています。

しかし、公開されてから約3か月後の2020年の3月に完結しましたが、その後すぐに商品や映画の告知が入ったことで読者から大きな反感を買ってしまい、炎上してしまった過去があります。

X『きくちゆうき』さんのアカウントはコチラ

 

あらすじ

これは、何気ない日常を友達と過ごすワニの物語。「友達のネズミとモグラ、アルバイト先の気になる先輩ワニ、その他の生き物たちに囲まれた中の日常をただ送る」そんな物語だ。

友達とラーメン屋に行ったり、先輩と二人でドキドキのアルバイトを過ごしたり、時には自分には関係のない人から悪意のある態度を取られたり。誰もが共感できる良いことも悪いことも含んだ日常生活を、ただひたすらに送る毎日。

ただ、そんな日常生活が毎日続くかどうかはワニ自身にもわかるはずがなく…。

時間の有限性と何気ない日常への感謝の気持ちを教えてくれるSNS大ヒット作が、今始まる…

 

感想

SNSを活用した斬新なカウントダウンシステム

本作一番の特徴は、タイトルにある「100日後」を利用したカウントダウンシステムです

上記で説明しましたが、本作はSNSで一日ごとに投稿されていました。そして、投稿される度に4コマ下の日数カウントダウンが進んでいくという斬新なシステムを取り入れており、他の作品では類を見ない手法に多くの方の興味を引きました。

このシステムについてですが、100日という限定的な期限を設けることで本作の「ラスト」を読者に予感させ、そこから興味を持たせて読ませ始めます。読み始めるとラストがどういった内容になるのか気になり、そのまま最後まで読み続けてしまうという内容になっています。それだけの力が本作にはありました。事実、このシステムの実用性に気づいた当時の方々も、自身の作品に取り入れてTwitterで投稿されていました。

さらに、100日後に「死ぬ」という宿命を背負わされたワニに対して、読者の「可哀そう」という思いから生まれるキャラクターへの愛着が、一層ラストへの興味を引きます。その愛着も、ラストまでのワニの何気ない日常を見ることでさらに湧いてくるので、もはや最後まで見るしかないです。

ただ、このシステムはリアルタイムで投稿できるSNS上であるからこそ機能するものであって、全話まとめられた書籍では感じずらくなっており、少し面白みが薄くなっている点は否めないです…

 

ワニの日常に重なる、読者の日常

本作に登場するキャラクターは全て動物ですが、過ごしている日常は人間社会そのもので、とても親近感が湧く内容になっています

例えば、主人公であるワニが他の動物を食べることなんてことはありませんし、何なら友達のネズミとラーメンを食べに行ったりする描写があります。働きに行ったり、電車に乗ったり、ゲームをしたりと、行動のすべてが「人」そのものです。故に、「人」である読者も共感することができて、キャラクターに対して親近感を持つことができるのだと思います。

そして、描写されるのはハッピーな内容ばかりではありません。突然降りかかる理不尽な出来事等の暗い描写もあり、社会の厳しさを表現しています。そういったリアルさを追求する場面が多いので、さらに共感を得られる内容になっており、キャラクターへの愛着や親近感へとつながっているのです。キャラクターへの愛着や親近感が湧けば、読者が読み続けられるきっかけになるので、愛着の湧いたキャラクターの行く末が見たくなって最後まで読み進めたくなる欲を掻き立ててくれます。そういった点も相まって、多くの読者を魅了することができたのではないでしょうか。

 

ラストの展開を予想する楽しさから、生き残りを願った希望へ

本作を読み始めると、不穏なタイトルとキャラクターへの愛着がきっかけで、どうしても最後の展開を予想してしまいます。「ワニは本当に死ぬのか」、「実は生き残るのでは」、「まさかの夢落ち?」等、様々な創造意欲が掻き立てられて、先が気になると同時に楽しくなってきます

タイトル通りの死ぬ展開であれば、どういった最後を迎えるのか。はたまた、ワニが生き残るなら、タイトルの意味は言葉通りの内容ではないのか。考え始めるときりがありません。最初はそこまで深く考えることはなかったのですが、読み進めてワニへの愛着が大きくなるに連れて次から次へと想像してしまうのです。それは、当時のSNSからも見て取れます。

本作が投稿され始めた時はSNS上で様々な憶測が飛び交い、自身が望むラストの展開を投稿する方もいらっしゃいました。そして物語が進み、残り日数が少なくなるにつれて「死なないでくれ」や「生きてくれ…」と、もはや憶測ではなくワニが生き残ることを希望する方が増えていったのは、今となっては良い思い出です。それほどまでに、主人公のワニに対する読者からの親近感が大きかったといえます。

そういった点でも楽しめる作品なので、読んだことがなくてラストを知らない方は、ネタバレを見ずに最後まで読むことをオススメします。そして、当時の方々と同じように、様々なラストを想像しながら読み進めてみてください。

 

まとめ

様々な憶測や意見がSNS上で飛び交ったヒット作「100日後に死ぬワニ」いかがでしたでしょうか。

公開当時、主人公のワニに対する愛着が凄すぎて、タイトルを無視してもはや生き残ってほしいと様々な方々から意見が寄せられた本作の魅力が少しでも伝わっていると幸いです。

これから本作を見られる方は、可能であればネタバレは見ずにご覧ください。そして、最後までワニのラストを想像したり、生き残ってくれと願ったり、多方面から感情を揺さぶられながら見ることを強くオススメします。先の物語が気になる方は、続編も出ておりますのでそちらも見てみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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