【映画紹介】マイ・エレメント

映画

(画像引用先:ディズニー

今回は、元素に焦点をあてて作られた異質なディズニー映画「マイ・エレメント」を紹介します。火や水、植物等の様々なエレメント(元素)が登場する本作の魅力について記載していますので、気になる方は是非ご覧ください!

マイ・エレメント

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作品

本作は2023年8月4日から公開された作品で、監督は「アーロと少年」を手掛けたピーター・ソーンさんが務めています。

キャスト陣には「ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから」のリア・ルイスさん、「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」のママドゥ・アティエさんが出演しており、吹き替え版ではそれぞれ川口春奈さんと「Kis-My-Ft2」の玉森裕太さんが担当されています。

公開後、2024年3月にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された第96回アカデミー賞授賞式にて、アカデミー長編アニメーション賞にノミネートしています。他にも宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」や、「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」等もノミネートされました。

 

あらすじ

舞台は火や水等の様々なエレメント達が暮らすエレメント・シティ。とある理由で故郷を離れた火のエレメントであるバーニーとシンダー・ルーメンは、エレメント・シティでの新たな暮らしをスタートさせる。しかし、火のエレメントは他のエレメントから毛嫌いされる風潮があり、中々馴染めず困難な新生活を送ることになる。その経験から、バニーは他のエレメントに対して嫌悪感を抱くようになってしまうのであった。

それから数年、バーニーとシンダーの間に生まれた娘のエンバーは、父バーニーが長年経営してきたお店の手伝いをしていた。ある日、エンバーは父のバーニーから店を託したいと告げられる。父の発言に喜ぶエンバーだったが、お店のビッグセールの日に大きなトラブルに巻き込まれてしまう。さらに、そこへたまたま通りかかった水のエレメントで公務員のウェイドによって、店が営業基準を満たしていないことが発覚。営業停止の危機に陥ることに。

何とか営業停止を免れようと直談判するエンバーと、そんなエンバーに魅かれたウェイドによる、相反するエレメント達の物語が今始まる…

 

感想

「移民」をテーマにしたリアルな作風

本作に登場するのは「人」ではなくエレメントですが、現代の人間社会でいう「移民」をテーマにした内容になっています

物語に登場するバーニーとシンダーは、冒頭で故郷を出てエレメント・シティに移り住むわけですが、あまり周りのエレメントからは良く思われていない描写が流れます。自分達と違うものを受け入れられない人から疎外される空気感は、何とも言えない苦しさがありました。

ここまでならよくある映画のお話ですが、登場するのはそんなキャラクターばかりではなく、「移民」に対して様々な反応を見せるキャラクターが続々と登場します。特に気にしない者、腫物のように扱う者、グイグイ関わろうとする者。そんな彼らの空気感に耐えられなくなった結果、バーニー達は独自のコミュニティーを築き上げることになるのですが、その描写と流れがあまりにもリアルすぎると感じました。異なる文化を受け入れることの難しさを知り、同じ文化を持った者達だけで集まるのは、私たち人間も同じです。その点をとてもリアルに表現していました。

余談ですが、本作は監督であるピーター・ソーンさんの実体験をもとに作られた作品であるとご自身で語られています。韓国籍である監督は、家族から韓国人と結婚するようプレッシャーをかけられていましたが、韓国籍ではない方と恋に落ち、様々な困難を乗り越え家族になったというエピソードです。監督自ら味わった経験が、リアルな描写の原点になっているように感じました。

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『マイ・エレメント』ピーター・ソーン監督が、自身のエピソードから“ピクサー史上最もロマンティックなストーリー”が生まれたことを明かした。

 

化学反応を利用した面白みのあるシーンの数々

本作に登場するキャラクターは皆、エレメントと呼ばれており、それぞれの属性を活かして日々生活しているのですが、その描写が非常に興味深く、子供から大人まで楽しめる仕上がりになっています

例えば、火のエレメントであるエンバーが傘や袋を頭上に持つと、熱気球の原理で空に浮かぶシーンがあったり、水のエレメントであるウェイドは体が水でできていることを活かし、どんな物体もすり抜けてしまう性質がある等、性質や化学反応を使った描写が結構多いです。他にも風のエレメントや土のエレメントがいますが、彼らも同様に自身の性質を活かして生活しているので、視聴の際は是非注目してみてください。

他にも化学反応や性質の表現がとてもポップで、あまりわからない子供でも楽しめるシーンになっているところも素晴らしいです。キャラクター達の「魅せる」ような性質の使い方と映像美が相まって、大人でも興味をそそられるようなシーンになっており、何が起こっているのか原理がわからなくても見いってしまいます。わからないものに対して興味を抱かせることは、そう簡単にできることではありません。それを成し遂げた本作の映像と技術は間違いなくアカデミー賞ものです。

 

純粋なラブストーリーを目新しくする要素

テーマは「移民」であるとお伝えしたばかりですが、本作の脚本構成は純粋なラブストーリーです

移民側であるエンバーと、エレメント・シティに住んでいるウェイド。この二人のキャラクターが本作の主人公になるのですが、火と水という相反する性質を持つがゆえにトラブルばかりが発生します。さらに、エンバーの父であるバーニーは他のエレメントを嫌い、中でも水のエレメントは過去の経験もあって特に嫌っています。そんな中、お店の営業停止阻止の為に仕方なく協力し合う2人でしたが、次第に惹かれ合っていき…というお話です。

内容としては、「許されない恋」という感じの王道ストーリーです。特に目新しさはありませんが、そこへ「移民」というテーマが追加されたことで、リアルな「国際結婚」を表現しています。アニメーションの中でも、特にディズニー映画の中では珍しい部類に入る作品ではないでしょうか。そういった点では目新しさも感じられると思います。

そして、内容もさすがディズニーといった感じで、キャラクターの心境や思いを見事に表現しています。心境が伝わってくるとキャラクターに共感しやすくなるので、キャラクターが苦しそうなら苦しく感じたり、嬉しそうなら嬉しくなったり、見ているだけで一喜一憂することが出来ます。家族で見ると様々な一喜一憂を見れるのでオススメです。

 

まとめ

移民という切り込んだテーマを扱いつつ、ディズニーらしさも取り入れた名作「マイ・エレメント」いかがでしたでしょうか。

監督自身の体験談をもとに作られた本作の魅力が少しでも伝わっていると幸いです。移民の受け入れの難しさ、国際結婚に至るまでの弊害等、大人向けの内容でありながら子供でも見れるようにポップな作りになっている点が、本当に素晴らしいです。エレメントの性質を活かした化学反応の描写も目を引きますし、キャラクターの個性がそれぞれ際立っていて、難しいことを考えなくても見れる作品になっています。このように、どなたでも見れる内容になっているので、気になる方は大人から子供まで是非ご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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