(画像引用先:ディズニー)
今回は、笑って泣けるミュージカル・ファンタジー映画「ミラベルと魔法だらけの家」を紹介します。魔法だらけの世界で魔法が使えない主人公の奮闘劇を描いた本作の魅力について記載していますので、気になる方は是非ご覧ください!
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作品
本作は2021年11月26日に公開された作品で、監督はバイロン・ハワードさんとジャレド・ブッシュさんが務めています。
吹き替えキャストには斎藤瑠希さんや中尾ミエさんといった女優をはじめ、平野綾さんや中井和哉さんといった有名声優が担当しています。中には3時のヒロインでお馴染みのゆめっちも起用されており、歌と声優の上手さで一時話題になりました。
多方面から評価されている本作は、その功績を称えられ、翌年に第94回アカデミー賞(R)長編アニメーション作品賞を受賞しています。
あらすじ
魔法の家から「ギフト」と呼ばれる魔法の力を授かり、その力を活かして一族を繁栄させてきたマドリガル家には、家族で唯一ギフトが与えられなかったミラベルという娘がいた。彼女は自身が魔法を使えないことに負い目を感じていたが、それでも明るくふるまって家族や周りの人々と過ごす日々を送っていた。
ある日、ミラベルは魔法の家のあちらこちらにヒビが入っていることに気づく。このままでは魔法の家が崩壊してしまい、ギフトや魔法の恩恵を受けられなくなってしまう。すぐさま家族に報告するが、誰も彼女を信じることはなく終わってしまう。
それでも、家族と今の生活を守る為に、ミラベルは一人で解決策を導き出すことを決意する。魔法が使えないミラベルの屋内冒険活劇が、今始まる…
感想
「ギフト」を使った個性の表現
メインキャラクターであるマドリガル家の人々は、主人公を除いてそれぞれが「ギフト」と呼ばれる魔法を使用します。そして、ギフトを使用することでキャラクター自身の魅力を引き立たせ、各々の個性を表現しているのが、本作の特徴でもあります。
例えば、主人公ミラベルの姉妹で長女のイサベラは、植物を操るギフトを使用します。花を咲かせたり、植物のツルを操って優雅に移動したりして、周りの人々を魅了します。次女であるルイーサは自身の力を倍増させるギフトを使用し、重い物を持ち運んだり、家を移動させたりと、街中の力仕事を請け負っています。故に、周りからの信頼も厚く、町中の人から頼りにされる程の技量を持ち合わせています。
このように、それぞれがギフトを使うことで個性を際立たせており、「このキャラクターはこんな感じの人なんだ」と分かりやすく視聴者に伝えてくれます。キャラクター像が明確になることで、キャラクターの心情がまったく理解できず、内容が入ってこないなんとこともありません。本作は上記のようなストレスを視聴中に抱えることもないので、最後までスラスラ見ることが出来て非常に良かったです。
魔法の描写も鮮明かつ面白みのある仕上がりになっており、視聴者を夢中にさせるシーンが多々ありました。ルイーサが動物のロバを何頭も抱えて移動するシーンや、イサベラの操るツルが様々な用途で使われるシーン等、見どころたっぷりです。
歴代ディズニー作品1位・2位を争う感動物語
「リメンバー・ミー」、「ベイマックス」等、数々の泣ける作品を生み出してきたディズニーですが、本作はそれらと同等か超えるほどの威力を持った作品に仕上がっています。
物語のメインキャラクターが「家族」である本作は、世界観も相まってリメンバー・ミーに似ている節があります。どちらも家族の絆の大切さを教えてくれる作品ではありますが、本作は「人の本心」というテーマも取り入れて、テーマを深掘り、物語にさらに深みを持たせています。リメンバー・ミーも勿論深みのある物語でありますが、「物語の深み」という点では、さらに内容を深掘ぼった本作の方が、泣ける要素が強いように感じました。
特に、終盤に語られるマドリガル家の祖母・アルマおばあちゃんの昔話は涙腺が崩壊します。自分の本心を隠し、周りに弱みを見せることなく、ひたすら前に進み続けるアルマおばあちゃんの原点のお話になるのですが、悲しすぎてとにかく泣けます。本当にシャレにならない程泣いたシーンなので、これらから見られる方はティッシュ、もしくはハンカチ必須です。
周りに配慮して「本心」を隠し続けた結果
本作のテーマは「人の本心」であり、それに基づいた物語が展開されるのですが、誰もが経験する話で苦しくなってきます。
人々を魅了し、家族の中でも一目置かれる存在である長女のイサベラ。力持ちで町中の人々から頼りにされている次女のルイーサ。家族の繁栄の為、尽力する祖母のアルマおばあちゃんとその他のマドリガル家の住人達。そして、家族で唯一ギフトを持っていない三女のミラベル。周りから見れば幸せな家族に見えるかもしれませんが、彼らは互いに本心を隠しており、うわべだけの幸せに身を置いている状態で、誰にも本心を打ち明けられない日々を送っていましたが、そんな生活が長く続くはずもなく……という感じのお話です。
上記のような経験をしているのはマドリガル家の住人だけではありません。周りに合わせて、本心を隠しながら生きている人間というのは大勢います。理由も様々です。友達を作るため、恋人を作るため、会社になじむため、住みやすい環境を作るため。ただ、本心を隠して作ったものや出来た環境というのは、長続きすることはありません。あくまでうわべだけ繕っているだけで、本心に逆らっている自分自身に納得できていないからです。この状態が続くと心が疲弊し、いずれ限界を迎えます。
そんな問題を抱えたマドリガル家が、どのように問題を解決し、ハッピーエンドを迎えたのか。その答えは単純明快なものでした。「本心を打ち明ける」たったこれだけです。それが良い結果をもたらすか悪い結果をもたらすかは置いといて、ただ誰かに打ち明けることが解決の糸口になっていました。打ち明けた側は本心を誰かに伝えたことでスッキリし、打ち明けられた側は当人の本心を知ることが出来て気持ちを理解することが出来ます。そうすれば、本心を隠して自分を繕う必要もなくなり、心が疲弊する必要もありません。
協調性を重んじる日本では難しいことかもしれませんが、もし、同じ状況で苦しんでいる方がいるなら、相手に本心を打ち明けてみてください。解決には至らないかもしれませんが、確実に何かは変わるはずです。相手が変わらなくても、本心を打ち明けた自分が変わることだってあります。是非、挑戦してみてください。
まとめ
感動だけではなく、人生における教訓を教えてくれるディズニー作品「ミラベルと魔法だらけの家」いかがでしたでしょうか。
「ギフト」と呼ばれる魔法で個性を表現し、視聴者にストレスをかけない工夫が施されていたり、ディズニー作品で上位に入る程感動させられる本作の魅力が少しでも伝わっていると幸いです。
そして、「人の本心」という際どいテーマに切り込んで展開する物語は誰もが共感できる内容になっており、人生における一つの教訓のようなものを教えてくれます。同じ状況で悩んでいるか方や苦しんでいるか方がいらっしゃいましたら、物は試しに視聴してみてください。少しでも気持ちが和らぐかもしれませんよ。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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