【漫画紹介】魔法少女・オブ・ジ・エンド

漫画

(画像引用先:Amazon

今回は、途中で物語の方向性がガラッと変わる予測不能な作品「魔法少女・オブ・ジ・エンド」を紹介します。途中から自分が何の作品を見ているのかわからなくなる感覚がクセになる本作の魅力について記載していますので、気になる方は是非ご覧ください!

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作品

本作は2012年から別冊少年チャンピオンにて掲載されていた作品で、作者は佐藤健太郎さんです。他にも「不死と罰」や、「魔法少女サイト」等も手掛けており、アニメ化された作品もあります。

2012年の掲載以降、5年の連載を経て2017年に完結した本作は、単行本が16巻まで発売されており、260万部を超える大ヒット作になりました。アニメ化までには及びませんでしたが、同系統の作品である「魔法少女サイト」も大ヒットし、2018年にアニメ化を果たしています。

作者である佐藤健太郎さんはマンガワールドと呼ばれるトークイベントに何度か出演しており、作品の制作秘話等を語られていました。

 

あらすじ

いつもと変わらない同じ生活を送ることに飽き飽きしていた高校生の児上貴衣(こがみきい)は、その日も変わらない日常を過ごすはずだった。

授業中、児上が何気なく窓の向こうに視線を送ると、そこには校門前で誰かともめている体育教師の姿があった。もめている相手をよく見ると、全身ゴスロリファッションをした幼い少女のような風貌で、そんな少女相手にもめている体育教師を鼻で笑っていた。

その瞬間、ボンッという音と共に、体育教師の顔の上半分が吹き飛ばれる光景を目の当たりにする。何が起きたかわからない児上は、自身が見たのは夢だと思い、一旦気を静めるためにトイレへ向かい用を足すが、教室へ戻るとそこには…

ゴスロリ少女に蹂躙されて死にゆく同級生達の姿があった。

状況が把握できない児上だが、教室で隠れていた幼馴染の福本つくねを見つけて、共に学校からの脱出を試みる。しかし、行く手を阻む謎のゴスロリ少女と、彼女に殺された生徒達の死体が蘇って児上達に襲い掛かる…

 

感想

序盤はパニックホラー、その後は…

本作のジャンルはパニックホラーですが、ジャンルが適用されているのは序盤のみです。以降の話はジャンルがまるっきり変わります

あらすじで説明した謎の少女の襲撃から始まり、そこからしばらくは街中で繰り広げられるパニックホラーの描写が続きます。そして、物語が一つの節目を迎えると分かるタイミングがくるのですが、そこを超えた先にあるのは…「ザ・SF展開の数々」です。

現代、過去、未来を駆け巡るバックトゥザフューチャーのような展開が待っています。時代をまたにかけ、諸悪の根源を葬り去るための旅が始まります。さらに、ダブル主人公システムも採用しており、主人公である児上の他にも新たな主人公が登場し、物語はより複雑になっていきます。パニックホラーを見たいがために読み始めた人にとっては、「私は一体何を見ているんだろう?」と頭を抱えるかもしれません。

しかし、読み進めていくと序盤の謎や伏線がどんどん回収されていき、それとなく物語の概要が理解できるようになっていきます。この「理解できる」感覚というのがクセになって、次から次へとページをめくりたくなってしまうのが、本作一番の特徴です。逆に、それがクセにならなかった方は、途中で投げ出してしまってもおかしくありません。絵にかいたような「読む人を選ぶ作品」だと、個人的には思ってます。

 

魔法少女のイメージ払拭

「魔法少女」という言葉は、一般的にマイナスなイメージがない言葉ではないでしょうか。「おジャ魔女どれみ」や「魔女の宅急便」等、魔法を使える女の子が和気あいあいと頑張る内容の作品が多く、基本的に味方であることが要因だと思います。しかし、本作はそのイメージをぶっ壊す勢いでとんでもない魔法少女を大量に描いています

一人一人が魔法を使えることに変わりはありませんが、目的が「人類を消す」ことなので、中々にむごいことをしてきます。重力を操って人を浮かせたと思った次の瞬間、地面にたたき落として絶命させるといった衝撃的な魔法を使う魔法少女等、ポジティブなイメージのかけらもありません。はっきり言って化け物です。

そんな魔法少女達ですが、化け物というイメージに合った見た目をしており、それぞれデザインが違って見ていて飽きないです。普通そうな見た目の個体もいますが、そこも凶悪というギャップがあってとても良いと思いました。普通とはかけ離れた個体もおり、「魔法少女ってなんだっけ?」と思えるデザインのものもいるのですが、見た目から中身まで完全に化け物でとにかく興味をそそられます。

最近の魔法少女に飽きたと思っている方がいらっしゃいましたら、本作を一度ご覧いただいてイメージを崩してみてはいかがでしょうか。

 

どんどん複雑になっていく物語

パニックホラー系の作品の多くは、脱出や救出といった単純明快な結末を迎えるために主人公サイドが奮闘するという内容のものが多いですが、本作は読み進めれば読み進める程、主人公たちが何をすれば結末になるのか分からなくなってきます

序盤はパニックホラーの流れで脱出を目指すものの、流れが変わると諸悪の根源を消す話になったり、消すのではなく救う話になったり、歴史改変が目的になったり、方向性が右往左往しています。その為、一度読んだだけでは理解することはほぼ不可能に近いです。それだけ複雑な内容になっています。伏線も多く、初めて見た時には見逃してしまうことも多々あるでしょう。事実、私は見逃しまくってました。

こういった複雑な内容の物語を読むときは、時間のある時に一気に読んでしまうことをオススメします。感覚をあけながらゆっくり読んでいると伏線を忘れてしまうこともあるので、忘れないうちに全部読み切ってしまった方が伏線回収をしやすくなるからです。本作もこちらの読み方が適しているので、気になる方は一気に読んでみてください。

ただ、物語の複雑さが緩和されるわけではないので、一気に読んだからと言って全てを理解できるわけではありません。普通に読むより理解できる箇所が増えるだけなので、何度か読み返す必要があります。作品自体にハマらないと読み返すのは難しいので、そういった点でも「読む人を選ぶ作品」であると個人的には思います。

 

まとめ

パニックホラーとは思えない難解かつ複雑な作品「魔法少女・オブ・ジ・エンド」いかがでしたでしょうか。

「魔法少女」というポジティブなイメージを持ちやすいキャラクターとは思えない、もはや化け物のような魔法少女ばかりが登場する本作の魅力が少しでも伝わっていると幸いです。魔法少女たちのデザインも様々で、それぞれ特性のある魔法を使うところも非常に興味深いです。

物語については内容が本当に複雑で、読み進めれば進む程、難解になっていきます。一気に読むことをオススメしていますが、一度で全てを理解するのは非常に難しいです。これから読まれる方はご注意ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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