(画像引用先:アニメ『となりの関くん』)
今回は、授業中に一人遊びに浸る主人公と、その状況に翻弄されるヒロインを楽しむ作品「となりの関くん」を紹介します。独特の世界観とほんわかな雰囲気を感じられる本作の魅力について記載していますので、気になる方は是非ご覧ください!
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作品
本作は2010年からコミックフラッパーにて連載されていた作品で、作者は森繫拓真さんです。
その後、2018年まで連載された後に休載に入り、現在まで再開の目途は立っておりません。
しかし、2020年に「となりの関くん じゅにあ」の連載が始まり、2023年に正式に完結しています。単行本は全3巻です。
そして、本作は単行本が10巻まで発売されており、2014年にはアニメ化、2015年にはドラマ化もされました。
あらすじ
学校に通うごく普通な女子生徒・横井さんは、自身の隣の席に座る男子生徒の関くんに日々悩まされていた。
悩まされていると言っても、いじめられているわけではなく、授業中の関くんの行動が気になって授業に集中できないことについてである。
その行動とは、先生に見つからないよう隠れて行っている「一人遊び」。簡単なものから超高度な技術を要するものまで、様々な遊びを授業中に展開しているのだ。
その行いに翻弄されつつも、何とか授業に集中しようと悪戦苦闘する横井さんだったが、いつの間にか遊びに参加させらたり、自分から進んで参加してしまうようになってしまい…?
のほほんと一人遊びに明け暮れる関くんと真面目な性格の横井さんによる、ハラハラドキドキの授業中お遊び阻止合戦が、今始まる…
感想
学校の懐かしい授業風景
本作は舞台が学校であり、授業中に繰り広げられる話がメインになってきます。それ故に、大人になった今では味わえないあの頃の授業風景を感じることができる内容になっています。
学校の隅の席で展開する関くんの一人遊びを、その隣の真面目な学生である横井さんが阻止しようとする授業中の光景に、一度もそんな経験したことが無い方でも何故か懐かしさを感じてしまう。
その理由は、学生を経験した方なら分かる「学校の授業中」という空気感を見事に醸し出しているからです。
一般的な木の机のデザイン、先生の死角である窓側角の席の居心地の良さ、後ろに見える物置や掲示板、机に無造作にかけられたスクールバック。
地味な学校あるあるネタが風景のいたるところに散りばめられています。
そして、授業中の静けさや先生の声のトーン、黒板を見ようとしたときに視界に入る前の席の生徒の背中等、学生時代に体験したことのある授業の空気感を演出しています。
上記2つの要素が組み合わさることで、学生時代に誰もが体験した「学校の授業中」の空気感をアニメに落としむことができたのだと思います。
関くんと横井さんのやり取りについても、不真面目な学生を注意する学級委員長みたいな構図で、体験したことはなくても似たような光景を目の当たりにした方はいらっしゃるのではないでしょうか。
私は体験したことはありませんでしたが、クラスメートにそういう方々がいたのを思い出してしまい、懐かしさを感じずにはいられなかったです。
そんな学生時代の思い出を掘り起こしてくれる本作独特の空気感に、皆様も学生時代を思い出して物思いにふけてみるのはいかがでしょうか。
一人遊びが異次元すぎる
一人遊びと聞いて思い浮かぶものは何でしょうか。あやとり、おはじき、小型ゲーム機。すぐに頭によぎるものがいくつもあると思います。
しかし、本作ではそんな思い浮かべやすい遊びというものはほとんど出てきません。出てきたとしても、予想の斜め上をいく遊び方を披露してくれます。
そして、それを授業中に先生に隠れて行うという条件下で繰り広げるわけですから、ただの一人遊びと違い、条件による縛りも含めたうえでの危険な遊びになります。
先生に見つからない為には地味で目立たない遊びがうってつけです。あやとりやおはじき等がベストでしょう。
そんなことを考えながら読み始めた一話で繰り出されたのが、自身の机全域を使用した「ドミノ倒し」でした。
初めて読んだときは、全く理にかなっていない遊びに度肝を抜かれたことを今でも覚えています。
ただ、ドミノ倒しは関くんの遊びの中では全然難易度の低い方であり、その後もどんどんとんでもない遊びが繰り広げられていきます。
それゆえに、「次はどんな遊びを見せてくれるのだろう」と期待も膨らみ、ページを次から次へとめくってしまう程、夢中になって雉間うのが、本作の凄いところです。
そんな関くんのお遊びの中でも、私一押しの遊びが「ロボット家族」です。この遊びは他の者と違い、複数話登場する話なので、読まれ始める方は是非そちらも読んでみて下さい。
現在も未完結である本作の行く末
冒頭でも説明しましたが、本作は未完結の作品となっております。
しかし、連載の目途は立っておらず、いつ完結するのか分からない、もしくは完結しないかもしれないという状況にあります。
作者の方は曰く、「回を重ねるごとに横井さんと読者が関くんの一人遊びに驚かなくなっている。それを打開する為にネタの補充が必要で、長期の休みをいただきます。」とのことでした。
確かに、最初こそ突飛な遊びで横井さんや私達読者を驚かせてくれた関くんですが、話を進めるごとに関くんの遊びに慣れてしまい、読んでいて楽しさはあるものの、驚かなくなってしまってました。
今では関くんが隣で段ボールの城を築き上げたとしても、全く動じなくなっています。
ただ、驚きが無くなった代わりに、遊びに動じなくなった横井さんが関くんに対してどういった対処法を見せてくれるのかを見るのが楽しみになってきます。
関くんの母から教わった輪ゴム銃の技を駆使し、先生にバレないよう関くんと戦う(?)ところが非常に面白いです。
様々な方法を使って関くんを妨害するので、飽きることなく読むことができます。
なので、私個人としては突飛な遊びで読者を魅了するのではなく、関くんと横井さんの攻防とやり取りで魅了していただきたいと思いました。
驚きも大切ですが、それ以上に内容やキャラクター達のやり取りといったところが大切なのではないかと、私はそう感じます。
これは評論家ではなくただの素人の考えなので、全く的を射てないアドバイスかもしれません。
ただ、作者の方には一人の読者としてこの感想が届ければいいなと思います。
新刊、いつまでもお待ちしております。
まとめ
学校の授業を思い出させる独特な空気感が漂う作品「となりの関くん」いかがでしたでしょうか。
授業中に全く予測できない異次元な一人遊びを展開して読者と横井さんを驚かせる本作の魅力が少しでも伝わっていると幸いです。
ただ、本作の良さは驚きのみではありません。
懐かしさを感じる独特の空気感、横井さんと関くんの攻防戦等、他にも魅力がたくさん詰まった作品です。
しかし、作者がネタの補充をしている為、現在は休載中です。
ここまで読み続けてきた私は、いつか連載が再開するその日まで待ち続けようと思います。
そして、これから読まれる方は、まだ作品が未完結であることを念頭に置いてお読みください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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