【漫画紹介】特別じゃない日

漫画

(画像引用先:実業之日本社

今回は、書店やSNSで大反響を呼んだ作品「特別じゃない日」を紹介します。読者をほっこりさせるエピソードや感動させるエピソードがつまった本作の魅力について記載していますので、気になる方は是非ご覧ください!

特別じゃない日

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作品

本作は2021年11月に出版された作品で、作者は稲空穂さんです。2017年に「おとぎ話バトルワイヤル」で漫画家デビューを果たし、本作『特別じゃない日』で日常をテーマにした作品に初挑戦しました。作品をSNSで投稿した結果、各方面から大反響を呼び、出版に至りました。

投稿されていた短編作品を加筆して連作短編化されており、一つの物語としてまとめられている本作は、万人向けの読みやすい仕様になっています。内容も素晴らしく、楽天ブックスやhontoのコミックエッセイ部門で第1位(2021年)になっています。

現在も連載されており、単行本は5巻まで出版されています。最新刊である5巻は今年の一月に出版されました。

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あらすじ

これは、とある町に住む顔が固いおじいさんと優し気な雰囲気を漂わせたおばあさんの老夫婦のお話。

ある日、おじいさんがいつものように新聞を読んでいると、「パシャリ!」と音が鳴り響いた。何事かと周りを見渡すと、スマートフォンをもったおばあさんがおじいさんを見て笑っていた。なんでも、スマートフォンで写真を撮るのが面白いらしく、おじいさんを被写体にして撮っていたとのこと。

おじいさんにもスマートフォンでの撮影を勧めるおばあさんでしたが、「手持ちのカメラがあると」と拒否されてしまう。そこへ来客がやってきて、おばあさんは玄関へ向かったが、それを見計らっておじいさんがスマートフォンを手に取り、「あるもの」を撮影する。来客の対応を終え、戻ったおばあさんがスマートフォンを確認すると……

「暖かくもどこか切ない」そんなエピソードの数々に、心を癒されてみてはいかがだろうか。

 

感想

日常感あふれるほっこり話の数々

本作はどこにでもいそうな家族の日常を切り取ったお話で構成されていることもあって、日常感あふれる仕上がりになっています。そして、登場人物が全員優しいキャラばかりで、読んでいてとてもほっこりするところも魅力の一つです

登場する家族ですが、今回の単行本では二世帯で登場しており、一話目は祖父母のお話から始まります。これも中々ほっこりさせてくれるお話で、同時に老夫婦の可愛らしさもダイレクトに伝えてくる内容になっており、不思議と優しい気持ちにさせてくれます。特に、おばあさんとおじいさんの互いの溺愛具合がたまらなく愛おしく感じられるので、個人的には一番好きなお話でした。

以降のお話では、祖父母の子供の家族がメインとなった短編が続きます。描かれるのは家庭の話だけではなくて、娘のバイト先、お父さんの仕事、バイト先の人達のお話等、様々な角度から語られるのですが、例外なくどれも優し気のある内容になっていてとにかくほっこりします。たまにシリアスな空気が漂うことがありますが、そこまで気にならない程度のもので、その後の「ほっこり感」をより引き立てる要素になっています。

こういったお話ばかりなので、「疲れすぎて優しい物しか見たくない」と感じている方には特にオススメです。

 

テンポの良い短編特有の構成

投稿されていた短編を集めて作成された本作は、実質、短編集のような内容になっており、非常にテンポよく読むことが出来るようになっています

一話のボリュームも程よく、読み疲れすることもありません。次の話への関連性も薄いので、途中で読みやめても気にしてなくてすみます。好きな時間に好きな話を読むことが出来るので、仕事の合間や暇な時間を使って読むことができるのです。オススメは、休日にゆっくり紅茶やコーヒーでも飲みながら優雅に読むことです。よければお試しください。

話のテンポ感ですが、元が短編ということもあってスラスラと読むことができます。難しい内容もないのでつまることもなく、読んでいるときにストレスになることもありません。頭をカラッポにして読めます。それでいて優しさ溢れる内容に癒されるわけですから、文句のつけようがないです。

このように、漫画初心者の方にはとても読みやすい構成になっているので、漫画を初めて読むという方はこちらの作品から入ってみるのはいかがでしょうか。

 

身近に感じる優しさ

本作が日常感のあるほっこりした作品であることは前の項目で記載しましたが、素晴らしいのはそこだけではありません。「今、どこかで起こってそうなエピソード」ばかりを集めているので、妙にリアリティーを感じさせてくれる点も非常に良かったです

エッセイ漫画のような作品なので、日常感があるのはそこまで珍しいことはありませんが、問題はその内容です。実録された話ではないにもかかわらず、読者に「今、日本のどこかで起こってそうな話だな…」と感じさせる程、身近に感じられるお話ばかりばかりです。おじいさんとおばあさんのランデブーや、同僚の意外な一面を見た話、穏やかな父のプレゼント選び等、言葉に起こしただけでもどこにでもありそうな話感が感じられるのではないでしょうか。

そして、どこにでもありそうな話だけで終わることはなく、登場人物たちの優しさ溢れる振る舞いとデザインに癒しも感じさせてくれます。身近に感じるお話と優しさ溢れる内容の相乗効果によって、何故か身近な人を思い出してしまいます。それは父であったり母であったり、祖父であったり祖母であったり、とにかく自身にとって身近な人物です。その人物から受けた優しさの数々を思い出してしまい、涙腺が少し緩くなってしまいます。

最近は政治や世界情勢が不安定で、「身近な優しさ」が薄れゆく世の中ですが、そんな中、本作はそういった「身近な優しさ」を思い出させてくれます。もし、優しさを忘れそうになったら、是非本作を読み返してみてください。

 

まとめ

読んでいるだけで日常的な優しさに触れられる作品「特別じゃない日」いかがでしたでしょうか。

殺伐とした世界情勢や政治等の理由で、人の優しさを感じにくくなった世の中ですが、そんな中でも優しさを身近に感じられる本作の魅力が少しでも伝わっていると幸いです。短編を集めて作られた作品でもあるのでテンポも良く、サクサクと読み進められるので、漫画をあまり見たことがない方にもオススメできる内容になっています。

現在は5巻まで出版されておりますので、気になる方は是非この機会に読んでみてください。それで少しでも他人に優しくなることが出来たら、万々歳です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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