(画像引用先:『おでかけ子ザメとかいのおともだち』公式サイト)
今回は、「純粋さ」で全てが成り立っている最新映画「おでかけ子ザメ とかいのおともだち」をレビューします。あまりの純粋な可愛さに涙が溢れ出す本作の魅力について記載していますので、気になる方は是非ご覧ください!
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作品
本作は2025年8月22日から公開されている作品で、監督は熊野千尋さんが務めています。
熊野さんは他作品でも演出や絵コンテなどをされた経験があり、過去にはワンピースや妖怪ウォッチにも携わっていました。
声優はアニメから引き続き花澤香菜さんが主役の子ザメちゃんを務め、新キャラクターには宮田俊哉さんや高野洸さん、花江夏樹さんといった有名人が起用されています。
本作の主題歌はロザリーナさんの「where you come from」です。ロザリーナさんはシンガーソングライターで、「えんとつ町のプペル」のテーマソングを手掛けたことで話題になり、その後もCMソング等を手掛ています。
あらすじ※ネタバレ注意
今日も元気な子ザメちゃんは、ある日、町の駅前で悲し気な女子高生のそらを見かけます。
事情を聞いてみると、都会の高校に引っ越すことになって、新しい場所で友達ができるのか不安とのことでした。
そんなそらに、子ザメちゃんは友達になろうと伝えます。それを聞いたそらは元気づけられて、前向きな気持ちになれたのでした。
そして、子ザメちゃんはそらとのお話で都会に興味を持ち始めます。
どんなところかな~と想像していると、子ザメちゃんの頭上に大きなサメの形をした雲が現れました。
自分とよく似た雲に親近感の湧いた子ザメちゃんは、風に流れる雲を追いかけます。
そんな雲を追っているうちにたどり着いたのは、子ザメちゃんが興味をもった都会でした…
見知らぬ場所から始まる小さなサメの大冒険が、今始まります。
感想
全てが純粋で構成されている
本作の構成は全てが純粋さで構築されており、作品のファンとしては申し分ない出来となっています。
YouTubeで公開されているアニメ版と同じで、無駄な要素を一切省き、子ザメちゃんとキャラクターの純粋さに焦点を充てた作品構成でした。
おでかけ子ザメという作品は、この「純粋さ」を楽しむコンテンツといっても過言ではありません。そこには悪人もおらず、シリアスな空気感もありません。
ちょっと疲れた人々が、子ザメちゃんの純粋さにあてられて元気を出すというシンプルな物語も純粋で良いです。
純粋ゆえに難しいことを考える必要もなく、小さな子供でも見やすい作品に仕上がっていました。
キャラクターだけでなく物語の構成も純粋な作風に、ファンなら歓喜すること間違いなしです。
そして、映画になったからといって作風を変えなかったことも評価するべきポイントです。
劇場版としてデビューする作品は、普段とは違った迫力のあるシーンや大音響のシーンといった映画館ならではの演出が取り入れられることが多いのですが、本作は原作と変わらず純粋でのほほんとした作風を貫き通していました。
作風を貫いた製作陣に、一人のファンとして心から感謝を述べさせていただきたいです。
多種多様な可愛いキャラクターが勢ぞろい!
主人公である子ザメちゃんの他に、数多くのキャラクターが本作に登場しています。
どのキャラクターも非常に魅力的で、優しくて可愛げのある個性をしています。
子ザメちゃんのような動物系のキャラクターだと、本作初登場となるチョウチンアンコウのあんこうちゃん、子ザメちゃんによく似たうさぎのうさめちゃん、YouTubeのアニメから登場しているかえるちゃんととかげちゃんも登場します。
中でもあんこうちゃんはとても怖がりで臆病を性格な性格をしているのですが、誰かの役に立とうと様々なことに挑戦する姿を見ていると泣かずにはいられません。
そして、物語が進行していく過程で徐々に成長し、最後には都会を飛び出していきます。
最初はゴミ箱や暗いところから出られなかったあんこうちゃんが、友達に会いたい一心で住処を飛び出していくのです。もはや本作の裏主人公といっても過言ではないでしょう。
そんなあんこうちゃん達以外にも、動物ではなく人間のキャラクターも登場します。
特に、本作の中でもインパクトが絶大的なモヒカンあにきは、青いモヒカンにサングラスといった強面な見た目をしています。
しかし、そんな見た目とは裏腹にとても優しく、子供向け映画で号泣できるぐらい純粋な心の持ち主です。
作中では子ザメちゃんに気に入られて、何度か共に行動することがありました。
互いにつかず離れずといった距離感を保ちつつ、映画を見たりライブに行ったり、のほほんとスローライフを送っている様子が映し出されるのですが、見ていて心が洗われます。
もちろん、モヒカンあにきやあんこうちゃん以外も温かみのあるキャラクターばかりです。全員が聖人のような優しさをしています。
そんな彼らの優しさが、現代社会を生きる大人の心に沁みてきます。子供でも見れる作品と言いましたが、どちらかというと大人が見るべき作品なのかもしれません。
苦しい社会に疲れた方は、是非本作を見て癒されてください。
明かされるうさめちゃんの過去※ネタバレ多め
原作ファンならご存知のうさめちゃんですが、本作で初めて過去が明かされます。
私が知る限り、「おでかけ子ザメ」の作品の中でも、過去が明かされるキャラクターというのはほとんどいません。
少し登場するモブキャラの回想なら何度かありましたが、度々登場するキャラクターの過去について触れられることは一切ありませんでした。
ましてや、主人公である子ザメちゃんですら過去が明らかになっていない中で、まさかのうさめちゃんの過去が先に語られることになるとは夢にも思いません。見た時は驚きを隠せませんでした。
そんなうさめちゃんの過去ですが、内容はうさめちゃんの育ての親についてです。
吹雪の中を放浪していた幼いうさめちゃんが、道半ばで力尽きようとしていた時、目の前に真っ白で大きな生き物が現れます。
その生き物は真っ白なメスの雪うさぎ(?)のような姿をしており、うさめちゃんを救い出します。
それからは雪うさぎの子供たちと共に、うさめちゃんは育てられていくことになるのですが、ある程度成長した頃に巣を出ることになります。
悲しげな表情で送り出す雪うさぎのお母さんを横目に、うさめちゃんは都会へ旅立つのでした…というお話です。
まず思ったのは、本作で一度生死をさまよった経験をしているキャラクターが出てくるということに対する驚きが凄いです。
原作ではもちろん、アニメでもそんな描写はなかったので、本作で初めて使われるオリジナルの内容です。原作ファンなら間違いなく驚きます。
そして、のらりくらりと生きているうさめちゃんの過去を知れた喜びを感じられると共に、今後は子ザメちゃんの過去も語られるのではないかという期待も高まりました。
そういった原作ファンを楽しませる内容も含まれているので、見る前に原作を読んでから行くのも良いのではないでしょうか。
まとめ
原作ファン歓喜のオリジナル要素を含む最新作「おでかけ子ザメ とかいのおともだち」いかがでしたでしょうか。
優しさと純粋さあふれる物語の構成に、社会で苦しむ大人達に響くこと間違いなしな本作の魅力が少しでも伝わっていると幸いです。
本作はまだ劇場で公開されており、来場者特典も週替わりでもらえます。無くなり次第終了になるので、ご興味あれば早めに見に行かれることをオススメします。
そして、子ザメちゃんが好きになったら原作も是非読んでみて下さい。
最後までご覧いただきありがとうございました。


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