今回は、松坂桃李さん主演の教育系ドラマ「御上先生」を紹介します。最終回直前で先の読めない展開に目を離せない本作の魅力について記載していますので、気になる方は是非ご覧ください!
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作品
本作は2025年1月から放送されているTBSの作品で、脚本は詩森ろばさんが担当されています。この方は以前も松坂桃李さんと共に仕事をしたことがあり、社会派サスペンス映画「新聞記者」を製作されています。
出演陣は松坂桃李さんや吉岡里帆さん、北村一輝さんや及川光博さん等、有名俳優が起用されています。中でも、アイドルグループ「なにわ男子」所属の高橋恭平さんがしれっと出演されており、謎多き青年役をされていることで一時話題になりました。
主題歌にはONE OK ROCKの「Puppets Can’t Control You」が使われていますが、こちらについては放送前に情報がなかった為、第一話でサプライズ発表されました。
あらすじ
文科省官僚である御上孝(みかみたかし)は、省内で新たに設けられた官僚派遣制度によって私立高校への出向が命じられる。実質、左遷人事である制度だが、自身の保身ばかりに走る文科省のやり方を変えるには、この制度を使って現場から声をあげるしかないと考えた御上は素直に受け入れる。
そして、名門「隣徳学園」の教師として任命され、教壇へ立つことになるが、様々な問題を抱えた生徒達や文科省の人間を忌み嫌う先生等、問題は山積みの状態である。そんな中、隣徳学園理事長である古代と御上を学園へ追いやった総合教育政策局局長の塚田は、各々の利益の為、御上の出向と共に動き始めていた。隣徳学園と文科省にはつながりがあり、怪しげなやり取りが行われることになる。
文科省を変えるためにやってきたエリート官僚の前に立ちはだかる強大な壁。そして、問題を抱えた生徒達。隣徳学園を舞台に巻き起こる様々なトラブルが御上に襲い掛かる。それでも彼は、自身の目的を遂行すべく、冷静に対処していくが…
感想
ベテラン俳優陣の素晴らしい演技力
本作に出演している俳優陣ですが、ほとんどがベテランの方で演技力がとにかく凄まじいです。
主演の松坂桃李さん筆頭に、北村一輝さんや及川光博さん、常盤貴子さん岡田将生さん等、名のある方々ばかりが出演されています。間の取り方一つにしても完ぺきにこなしており、何か含みのありそうな演技をするので、伏線が綺麗にはられています。この作品において、「伏線」ほど重要なものはないので、そこに上手くハマっているように思えました。
もちろん、間の取り方以外にも素晴らしい点はあります。例えば、このドラマでよくみられる教育パートというものがあるのですが、そこでの松坂桃李さんの先生っぷりが元官僚というエリートであったことを匂わせていて、とても自然に感じます。御上先生から生徒に議題を投げかけ、その議題について生徒たちが意見を出し合うという教育パートの中、御上先生は冷静に淡々と進めていき、なおかつ生徒自身で答えを見つけ出せるよう誘導していきます。その最中、語られる知識の豊富さや官僚で培った経験を生徒に話して教育に生かすやり方等、一般の先生では考ええない手法で授業を進めるのですが、そこがエリートを彷彿とさせてくれます。話し方も落ち着き払っていて、まさに官僚といった感じでした。
主題歌の完ぺきな導入タイミング
本作の主題歌であるONE OK ROCKの「Puppets Can’t Control You」ですが、歌詞といい曲調といい全てがカッコよく、それでいて作中で流れるタイミングも完ぺきで悪いところが一つもありません。
まず、歌詞についてですが、世の不条理に対して物申す攻撃的な内容になっています。権力者(ペテン師)が全てを取り決め、我々はそれに従うしかなく、幸せになるようなことはないだろうという内容です。一見、マイナスのイメージがつきやすい歌詞ですが、曲調のロックさとボーカルのTakaさんの荒々しい歌い方も含めてみると、不条理に対して荒々しく訴えかけている感じがして滅茶苦茶カッコよくなります。そして、主人公である御上先生が組織の不条理に対して立ち向かう姿に重なり、一層カッコよさを増してくれる仕上がりになっていて、個人的には文句なしの主題歌だと思いました。
作中で流れるタイミングについてですが、終盤のちょうど節目で流れることはもちろんのこと、次回に何か起こると感じさせるシーンで流れるので導入としては完ぺきです。そして、曲の出だしの水が流れるような音から始まるところですが、ここを聞いたときにゾクッと鳥肌が立つほどカッコいいです。映し出されているシーンも話の佳境の部分なので、そこも相まって鳥肌効果2倍です。曲だけ聞くのも良いですが、最初は是非ドラマを見ていただいて、作中で流れる方を聞いていただくことをオススメします。
視聴者の予想を軽々超えてくる脚本構成
本作に欠かせない要素である伏線ですが、それを見た視聴者の予想を軽々超えてくる脚本力を見せてくれます。
伏線のはり方がベテラン俳優陣の演技力で素晴らしいものになっており、それを見た視聴者も隠された意図や意味を見出そうと様々な予想をしていきます。「これは後にこうなる伏線では?」、「これを行ったのはあいつでは?」、様々な憶測が繰り広げられものの、次のシーンで明かされるのは予想外の答えだった…なんてことが本作ではよく起こります。これについては個人差があるので何とも言えませんが、少なからず私は一度たりとも当たったことがありません。
特に、作中での御上先生の人間関係には要注意です。詳細は省きますが、見始めた頃には全く予想が出来ない相関図になっています。「こことつながってたの⁉」と驚きすぎて正直ビビります。これから終盤に入っていく本作ですが、御上先生にはまだまだ隠された事実がありそうなので、最後まで目を離せません。気になる方は最初から見てみてください。そして、伏線を頼りに今後の展開を予想してみてください。
まとめ
全く予想のつかない展開を繰り広げてくれるちょっと変わった教育系ドラマ「御上先生」いかがでしたでしょうか。
俳優陣の演技っぷりもさることながら、素晴らしい脚本力でさらに物語に深みを持たせている本作の魅力が少しでも伝わっていると幸いです。このドラマを見ると、並大抵の教育系ドラマを見ることが出来なくなりそうで怖いですが、それほど面白いです。伏線があちらこちらにちりばめられているにも関わらず、軽々と予想を超えてくる展開を繰り広げられる感覚に病みつきになってしまいます。まだ体験されていない方は、TVerで見逃し配信もしているので、是非そちらからご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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