(画像引用先:映画ナタリー)
今回は、今年の6月からAmazonprimeにて配信された「ザ・ボーイズ シーズン4」の完結を受けて、ネタバレありきのレビューをしていこうと思います。何度か当ブログで紹介させていただいておりますが、対象年齢18歳以上の作品でございますので、閲覧の際はご注意ください。
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ザ・ボーイズとは
本作は、マーベルやDC等でも題材にされている「スーパーヒーロー」をテーマにした作品です。他の作品と違うのは、スーパーヒーローが善良な行いをするのではなく、自身の利益の為に人殺しや薬等も平気で行い、それをスポンサーである企業がメディアを使って隠蔽するという「とんでもないアンチヒーロー作品」である点です。
そんなヒーローや企業に対し、能力を持たない人で構成された組織「ザ・ボーイズ」があの手この手で立ち向かっていくのが、本作の物語になります。物語が進むにつれて能力者の仲間が増えたりもしますが、スタンスは変わらずヒーローとの死闘を繰り広げていきます。
詳しい物語のあらすじや全体的な感想を載せた記事も投稿しているので、よければそちらもご確認ください。

ザ・ボーイズ シーズン4 レビュー
エピソード1~4 人間の醜さの露呈
本作の今までのストーリーは、スーパーヒーロー側の欲や醜さ等を表現した描写が非常に多い為、物語が進むにつれてスーパーヒーローに対する嫌悪感を高めていく傾向にありました。しかし、今回のシーズンではスーパーヒーロー側だけでなく、ザ・ボーイズのメンバーにも焦点を当てて、それぞれの欲や醜さ、過去の過ち等が語られることになります。
特に、本作で唯一純粋な登場人物であったスターライトの「過去の過ち」が語られた後は目も当てられなくなります。見ていた時は衝撃を受けましたが、そういった人間らしい部分もあるのだと再認識できた良いシーンだったと思います。
一方、スターライトの恋人であるヒューイは、父親が倒れて入院している病院に向かった矢先、過去に自身と父親を捨てた元母親と対面することになります。そこで過去についてのことを知ることになったり、父親の生死と向き合ったりと様々なイベントが発生し、結果追い込まれていきます。そして、父親に生きてほしい一心で、ヒューイは恐るべき方法を考え付くのですが、結果、とんでもないことに…。同じ立場になったら自分ならどうするだろうと考えてしまう程、シリアスな展開で非常に重い内容でしたが、物語の行く末が気になってかじりついて見てました。
フレンチは、「スターライター」と呼ばれるスターライト支持者のコリンと良い感じになっていくのですが、何か後ろめたいことでもあるのか、一定の距離を保とうとします。コリンは既にフレンチにメロメロで、積極的にアプローチをかけていくのに対し、フレンチは突き放そうとするやり取りが頻繁に行われます。このあたりは見ていて少し胸やけがしました…。ただ、フレンチにはそうせざるえない理由があり、後に判明します。それは、フレンチの過去に関係するもので……
ここまでの記載で詳細は省きましたが、要するに「自身の欲の為に行動した結果が悲劇を呼び、全て自分に返ってくる」ということをいやという程教えてくれるのがシーズン前半のエピソードです。今までの行いの結果がもたらす悲劇の数々に、何とも言えない感情が沸き上がるの感じながら視聴していました。
エピソード5~8 ブッチャーの異変
エピソード前半でザ・ボーイズの元リーダーであるブッチャーの前に、旧友のケスラーが現れます。彼は昔、ブッチャーと共にとある組織で活動していた過去があり、今回は頼みたいことがあって会いに来たと語ります。
以降、時々共に行動することになりますが、前シーズンで超人的な能力を得られる薬「コンパウンドブイ」を多量に摂取していたブッチャーは薬の副作用で体がズタボロになっていきます。その影響で亡くなった奥さん・ベッカの幻影が見えたり、意識が飛びそうになったりと散々な状態になりながらも、ザ・ボーイズの一員として行動していくことになります。
しかし、そんな状態を見かねたザ・ボーイズ現リーダーのMM(マザーミルク)に、組織をクビにされてしまいます。それでも、スーパーヒーロー「ホームランダー」の殺害と、ベッカの子供であるライアンの救出を諦めきれないブッチャーは、ケスラーに助言をもらいながら目的達成のために様々な行動を起こします。ただ、ケスラーの助言の内容はどれも過激で、息子であるライアンの誘拐、能力者の殺害等、手段を問わない内容のものばかり。助言があるたびにベッカの幻影に止められ、それでも強硬手段を要求するケスラーにどんどん追い込まれていくブッチャー。
精神的にも肉体的にも限界を迎えそうになりますが、ひょんなことから能力者を殺すウイルスを手に入れることに成功します。しかし、それを世界にばらまけば、能力者であるライアンやザ・ボーイズの仲間が死ぬことになります。「能力者を全員殺せ」と促すケスラーと、それを止めさせようとブッチャーに語りかけてくるベッカの問答が始まりますが、突然、ケスラーが幻影のベッカに向かって「黙れ!」と一喝します。薬の副作用でブッチャーにしか見えないはずの幻影に話しかけたケスラーに動揺を隠せないブッチャーは、そこで驚くべき事実を知ることに…
シーズン後半はブッチャーの動向に焦点が当てられていて、ケスラーとベッカの二人と物語を進めていくになるのですが、次に何をしでかすのか分からなくてヒヤヒヤします。ライアンに手をかけようとしたり、ウイルスを確保するために研究者の足を切ってさらったり、やりたい放題です。あまりの展開に終始、口が開きっぱなしでした。そして、それを指示するケスラーも狂気じみており、見ていて不安になります。ベッカが必死にブッチャーを止める理由がよくわかります。身内じゃなくても止めたくなる程、大胆で狂気じみた内容でした。
後に、ケスラーが狂気じみている理由が語られることになるのですが、これが本当に怖かったです。よくある定番の内容ですが、何の心構えもしていない状態のところに、突然、突き付けられるので唖然とします。下手なホラー映画よりも怖かったです。その理由が気になる方は、是非一度ご覧ください。
全体的な感想
本作は、今までのシーズンと比べてとにかくシリアスです。今まではところどころにブラックジョークがちりばめられていて、もう少しポップな感じで見ることが出来ましたが、本作は身構えてないとちょっと落ち込みそうになるぐらいシリアスでした。
特に、前半部分のザ・ボーイズメンバーの人間ドラマが非常にシリアスでした。過去の過ちや人間の欲に苦しめられながら、それでも目的の為に行動する彼らを見ているといたたまれない気持ちになって、こっちまで胸が苦しくなります。
ただ、いつもならそこでブッチャーが登場し、良くも悪くも空気感を変えてくれるのですが、今回は組織をクビにされていることもあり、あまり出てきてくれません。それどころか、薬の副作用で死ぬ寸前まで追い込まれ、病院のベッドに横たわることになります。今までザ・ボーイズを率いて活躍していたブッチャーのそんな姿を見ると、少し悲しくもあり、そして安心しました。「今までよく頑張った…後は残りのメンバーに任せよう」という思いでいっぱいでした。しかし、本作はそんな生ぬるい最後を迎えさせるほど甘くはありません。
物語の初めにケスラーという人物が登場するのですが、この男の登場でブッチャーはさらに追い込まれることになります。病院のベッドで最後を迎えるはずが、この男の存在がそれを邪魔し、死の淵から引きずりだされた挙句、最後の最後にとんでもないことをしでかします。あまりにあっけなく、あまりに衝撃で唖然としますが、ザ・ボーイズのファーストシーズンで見たビリー・ブッチャーが返ってきたような感じがしました。
そして、物語の幕引きで不敵に笑うブッチャーを見て恐怖を感じながら眺めるエンドロールを、ただボーと見ていることしか出来なかったです。
ここまで色々書かせていただきましたが、本作はとにかくダークな雰囲気をまとったシリアス作品であること伝えさせていただきたいです。今までのザ・ボーイズを見ていた感覚で視聴すると落ち込む可能性があるので、ある程度の心構えはしておいた方が良いと思います。ただ、そんなシリアスな作品でありながらも、これまでのシーズンにもあった爽快感やブラックジョーク等の笑いどころもあるので、シリアスが苦手な私でも非常に楽しめました。
まとめ
今回も中々攻めた内容をしていた海外ドラマ「ザ・ボーイズ シーズン4」いかがでしたでしょうか。これまでのシーズンとは一風変わった内容に、世の中では賛否両論の評価がされている本作ですが、私個人としては非常に楽しめました。
次回のシーズン5で完結が決定しているザ・ボーイズですが、早く見たくてしょうがないです。シーズン4の幕引きも、何かを匂わせている感じがして非常に気になります。可能であればもう物語をもう少し引き延ばしていただいて、シーズン7ぐらいまでやってほしいです。
そんな感情を私に抱かせたザ・ボーイズですが、冒頭でもお話ししたように未成年は視聴できない内容になっておりますので、これから視聴される方はそちらも踏まえてご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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